各種グッズテスト



 燃費改善グッズ「MP-3000」

 今回、アウアウコム有限会社様より、省燃費グッズ「MP-3000」のモニターレポート依頼を受け、サンプル品を提供していただきました。

 これがMP-3000。真鍮の金網にカーボンシートが貼り付けられています。
MP-3000をエアクリーナーボックス内に取付ける事により、吸入空気を活性化させ燃焼効率を高め、排ガスのクリーン化、燃費アップやトルクアップにつながるそうです。
 と、よくある燃費グッズと同じような効果ですが、車種によっては驚くほどの効果が期待できるそうなので、実際どのくらい効果があるのかテストしてみました。

テスト内容
 ・取付け前と後でアイドリング時の燃料噴射量を測定
 ・運転した時のフィーリング、加速感、エンジン音など
 ・固定式スロットルを使い、一定速度までの加速時の燃費を測定解析。


■テスト車両
 ・HONDA モビリオW GB-1(平成14年式)1500cc CVT
 ・15インチアルミホイール装着
 ・1名乗車

■測定機器
 ・デジタル燃費計(HKS CAMP)
 ・SRAMカード(ログデータ取得用)
 ・バキューム計


0-50km/h加速テストについて
 普通燃費グッズのテストと言えば、取付け前と取付け後に同じコースを走り、その燃費を比較するという方法がよく行われます。
確かにこれでも比較的正確なデータが得られますが、やはり一般道を他の車と一緒に走る以上、どうしても周囲の影響を受けてしまいます。
ここで問題は、燃費グッズの効果がほんの僅かだった場合、この誤差の範囲に埋もれてしまうことも十分考えられます。

そこで、より測定精度を高めるために以下の方法でテストすることにしました。

・テストは同じ日に取付け前と取付け後の2回行う。
・各テストは0-50km/hまでの加速を繰り返し行う。
・この加速は固定式スロットルを使い、アクセル開度を一定にして行う。
・テストは信号がなく交通量がほとんどない道を往復して行う。これは路面のわずかな勾配や風の影響を相殺するため。
・CAMPにてこのデータログを取得し、加速時のみのデータを抜き出して解析する。

 これで気温、路面状況、運転方法、勾配、風向きなどの影響を、極力排除して比較することができそうです。
なおこのテストで得られたデータは、あくまで加速だけに限定したデータなので、実際の走行とはかけ離れた数値になりますが、燃費グッズの効果だけを正確に比較することができると思います。

取付け
 取付けは、エアクリーナーボックス内に空気の流れを妨げないように設置するとのこと。
ところがモビリオのエアフィルターを取ってみると、取り付けられそうなスペースがほとんどありません。
というわけでMP-3000を3分の1程度に切って、このように入れてみました。


アイドリングテスト
 十分に暖機をした後、アイドリング時の燃料噴射量を比較してみました。
ECUはアイドリング回転数を一定に保とうとするので、もし燃焼効率が上がるのならその分燃料噴射量は少なくなるはずです。
取付け前 取付け後

 上から、燃料噴射量、瞬間燃費、速度、インジェクター開度、エンジン回転数です。
MP-3000取り付け前が、アイドリング745rpmで燃料噴射量は9cc/min。
取り付け後が、アイドリング749rpmで燃料噴射量は9cc/min。
さすがに1cc単位の分解能で判断するのは無茶というものですが、特にどの数値にも変化は現れませんでした。
エンジン音や始動性も特に変わった所はありません。


運転したフィーリング
 しばらく近所を走り回ってみましたが、特にパワー感やトルクに変化は感じられません。またアイドリングの安定性やエンジン音にも特に変化は感じられませんでした。


加速テスト開始
 これがテストで使った道。家から車で5分ぐらいの所にあります。
平坦で信号がなく、車もほとんど通らないので燃費テストには絶好の場所です。

ここを何度も往復してデータ取りをしました。

結果
 図1はCAMPのログデータから抜き出した加速時のデータです。
左側が取り付け前。右側が取り付け後になります。

これだけでは分かりにくいので、これを加速時間と燃料消費量のグラフにして、さらに近似曲線を加えたのが図2です。

グラフを見てみると、取付け前のデータが1ヶ所に集中しているのに対し、取付け後のデータは2ヶ所に分かれているのがわかります。
これはMP-3000の効果ではなく、テストした道路にわずかな勾配があったため、往路と復路で加速時間に差が出たようです。そして取付け前のほうが風が強かったので、追い風と向かい風の影響で、たまたま加速時間が揃ったと思われます。

このグラフの近似曲線を見てみると、取付け前より取付け後のほうがわずかながら燃料消費量が増えていることがわかります。これは燃費が悪化したことを意味しています。

また、この時の加速距離と燃費を比較したのが図3のグラフです。
ここでも取付け後のほうが5%ほど悪化しているのが分かります。


おいおいちょっと待てよ?
このテストで出た結果は約5%の悪化(加速限定)でした。
しかし、エアクリーナー内に入れるだけのグッズで、燃費が悪化するような事があるのでしょうか? 全く効果が無ければ何の変化も現れないはずです。
もしやMP-3000が吸気抵抗になっているのでは?
というわけで、取り付け方を変えて再度テストすることにしました。


再度取り付け
 今度はエアクリーナーの吸気口にMP-3000を丸めてこのように入れました。
あと、エアフィルター2次側にも空気の流れを妨げないように入れてみました。
※本来2次側への取り付けは禁止されています。

再テスト結果
 図4は再テストのログデータから抜き出した加速時のデータです。
先程と同じく、左側が取り付け前。右側が取り付け後になります。

そして図5は加速時間と燃料消費量の関係と、それに近似曲線を加えたもの。
図6は加速距離と燃費の関係、それに近似曲線を加えたものです。

グラフを見てみると、取付け前と後での違いはほとんど見られません。
しかし近似曲線を見てみると、取付け後のほうが燃料消費量、燃費が若干向上しているようにも見えます。そして加速時間と加速距離も、取付け後のほうが若干短い方向にずれているようです。

というわけで、MP-3000が効果あるかないか?というと「ある」という結果になりました。
しかしこれはほんの1%ほどの差にしか過ぎません。
これを測定誤差だと考えるべきなのか?それともこれがMP-3000の効果なのか?
果たしてこれで実走行燃費に変化が現れるのかは微妙な所だと思います。
ましてや体感的には、よほど素晴らしい感覚を持った人でないとこの変化を感じ取るのは難しいと思います。


 常連さん&読者の方々のレポート(随時更新中)
今回は常連さん&読者の方々にもレポートして頂きました。
お忙しい所どうもありがとうございました。
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