燃費向上ドライビング

今までの常識とは一味違う運転法を紹介します
ドイツ式燃費向上法を取り入れて、街乗り燃費アップ!



■ 街乗り燃費アップの三原則 ■
その1 無理せず気持ちのよい加速
その2 惰性走行をなるべく長く
その3 無駄なブレーキを使わない

市街地での燃費
 市街地は交通量が多く、信号や渋滞など燃費を悪化させる要因がたくさんあります。
周囲に合わせて何度も加速、減速を繰り返していると、どうしても燃費が悪くなってしまいます。
そこで、加速と減速を組み合わせた場合、どんなふうに走れば燃費が良くなるかを考えてみましょう。

どうすれば燃費が良くなるのか
 アクセルを踏むと、車が加速するかわりにガソリンを消費します。
燃費を良くする為にはアクセルを踏まなければいいと思いがちですが、実は市街地などのゴー・ストップが多い場所では、アクセルをあまり踏まずにダラダラ加速するよりも、短い時間で素早く加速し、後は惰性&一定速度で走ったほうが燃費が良くなります。
さて、それは一体なぜなのでしょうか?

「ゆっくり加速」と「素早い加速」
 それでは、ゆっくり加速した時と、素早く加速した時を比べてみましょう。
グラフを使って二つの例を解説していきたいと思います。
少し難しいかもしれませんが、頑張ってついて来てくださいね。

例えば、信号待ちから60km/hまで加速して、惰性走行→ブレーキ→停止するとします。
街中での典型的な走行パターンですね。

左のグラフはゆっくりと加速した場合。右のグラフは素早く加速した場合。
その時の速度とガソリン消費量(=アクセル開度)の関係を、ちょっと大げさに表してあります。

縦軸が速度とガソリン消費量、そして横軸が距離です。
厳密に言うと、空燃比やトランスミッションの関係で、こんな単純なグラフにはなりませんが、あくまでイメージとして見て下さい。

   ゆっくり加速の図    素早い加速の図

グラフを見てみると・・
 ゆっくりと加速した場合、ガソリンを少しずつしか消費しませんが、60km/hまで到達するのに長時間かかっています。
素早く加速した場合は、ガソリンをたくさん消費しますが、短時間で目的速度に到達しています。

この加速でのガソリン消費量は、赤で囲まれた部分の面積になります。
エンジンの仕事量とガソリン消費量はほぼ比例するので、60km/hまで加速するのに必要なガソリンの量は、ほとんど同じくらいになっています。

しかし、ここで大きな違いがあることに気が付きました。
速度の線(青線)で囲まれた面積が、右のグラフの方が広くなっています。
これはつまり、どちらも同じ60km/hまで加速しているにもかかわらず、素早く加速したほうが目的地に早く到達することになります。

ということは・・?
 ある一定の距離を、ゆっくり60km/hまで加速する車と同じ時間で走るためには、素早く加速すれば60km/h以下の速度(例えば50km/h)まで加速するだけでよいことになります。
つまり最高速を下げることができます。
ここで10km/h加速させる分のガソリンが浮いてくるのです。
おまけに短い距離で加速が終わっているので、後はガソリンをほとんど使わずに惰性走行することができます。

 また、素早く加速した時のほうが、ブレーキをかけ始める時の速度が低い事にも気付きます。これは、ブレーキによって失われるエネルギーが少ない事を意味しています。
ゆっくり加速すると、加速が終わったらすぐにブレーキをかけなければなりませんが、素早く加速した場合は、ブレーキをかけるまでに惰性で走る余裕ができるという訳です。

まとめてみると・・
  適度なエンジン回転数で、必要最低限の速度まで素早く加速
→最高速を下げられる上に、より長い距離を惰性走行できる
→速度が落ちてからブレーキをかけるので、失われるエネルギーも減る
→燃費向上

という訳です。
 うーん、ちょっと話がややこしくなってしまいましたが、理解して頂けたでしょうか?
まあ、あくまでこれは燃費を稼ぐ為の考え方に過ぎません。
実走行においては、周りの車の流れに合わさなければならないので自分勝手には走れませんが、これを理解して常に頭の中に入れて運転することで、少しでも燃費が良くなればいいなと思います。


ところで素早く効率の良い加速とはどのくらい?

 素早く加速するといっても、急加速は厳禁です。
かといって、ダラダラ加速すると効率の悪い加速になってしまいます。
効率良く加速するには、アクセルを1/3程度まで踏み、エンジンが軽く吹け上がる適度な回転数(2000〜2500rpmくらい)で巡航速度まで加速するとよいでしょう。
この時の加速方法は、ポンピングロスを徹底攻略!で解説していますので、併せてお読み下さい。



何キロまで加速すればいいの?

 素早く加速するといっても、必要以上に加速してしまうとブレーキを踏む量が増えるだけで、結局燃費は悪くなってしまいます。
加速の無駄をなくすためには、次に止まる場所までたどり着ける必要最低限の速度まで加速すればよいのです。
簡単に言うと、前方が混んでいる時や、前方の信号が赤の時は低めの速度。
前方が空いている時や、長い距離を走り続けられそうな時は、高めの速度まで加速します。でも制限速度は守ってくださいね。

加速後は、徐々に速度を落としながら惰性走行し、信号の手前では軽くブレーキをかけるだけで止まれる速度になっていることが重要です。
これは経験とカンに頼るしかありませんが、だんだんわかってくると思います。常に先を予測して運転してくださいね。



上手な惰性走行(定速走行)のしかたは?


 加速が終わって一定速度で巡航する時は、できるだけ高いギアに入れて、アクセル開度を小さくするのがコツです。この時AT車の場合は、アクセルを少し戻してやることで、ある程度は任意にシフトアップさせることができます。
でも、やりすぎは禁物です。
エンジン回転が低すぎると、エンストを防ぐために燃料消費が増えてしまいます。

走行中もっとも燃費が良くなるのは、50〜70km/hの一定速度で走った時です。
アクセルには軽く足を乗せているだけ。エンジンがスムーズに回って、車がスーッと滑るような感じ。
こんな状態を続ければ、車種によっては20〜30km/Lも走ることができます。