CAMPで燃費解析 |
ホイールの重量と燃費 |
よく、軽量アルミホイールに交換してバネ下重量を軽量化すると、燃費が良くなると言われていますが、果たして実際どれぐらいの差があるのでしょうか。
そこで、今回アルミホイールだけを交換する機会があったので、交換前と後でどんな違いがあるのかを測定してみることにしました。
比較するホイール
A-TECH ファイナルスピード 7J-15インチ 6.4kg/本 |
Oz.RACING TITAN 7J-15インチ 9.2kg/本 |
重量差は1本あたり2.8kg。タイヤ4本での重量差は11.2kgにもなります。
なお、タイヤは全く同じものを流用し、空気圧は共に2.5kg/cuとしました。
テスト方法
■同じ場所で停止状態から一定速度までの加速を行い、その時の燃料消費量を測定する。
■この加速には固定式スロットルを使い、アクセル開度を一定に保つ。
■テストはホイール交換前と後に同じ条件にて行う。
■テスト回数は可能な限り多く繰り返す。
測定結果
スロットル開度を固定しているので綺麗なデータが取れるかと思いきや、何故か加速時間に数秒のバラツキが出てしまいました。また、ホイール交換前と交換後で固定式スロットルのセット位置が少しずれてしまったようで、燃料吐出量にも若干の差が出てしまったようです。
こんなデータは使い物にならないか?と思ったんですが、横軸に加速時間、縦軸に燃料消費量のデータを並べてみると、それらしきカーブが見えてきました。
図1は0〜40km/h、図2は0〜50km/hまでの加速を行ったグラフです。
以前の燃費解析で解説したとおり、加速時間に対する燃料消費量のグラフになっています。
ここで、もし加速時の燃料消費量に違いがあれば、2本のグラフに差が出てくることになります。
ところが2本のグラフはほとんど同じ。ということは、ホイールの重量が増しても加速に必要な燃料の量はほとんど変わらないということになります。厳密に見れば、重いTITANのほうが若干燃料消費量が多くなっているようにも見えますが、ほとんど誤差範囲とも言えそうです。
理論的にはホイールが軽いほうが加速時の燃料消費は少ないはずですが、よく考えてみれば車体総重量(約1500kg)に比べればホイールの重量差(11kg)はわずか0.8%にしか過ぎません。
その違いを計測するにはもっともっと精度の高い方法でないと測れないのかもしれません。
という訳で、今回のテストではホイールの重量による燃料消費量の差を見出す事ができませんでした。
実際の燃費でもほとんど変化がないことから考えると、タイヤのインチアップによる燃費の悪化というものは、重量が増したことよりも、タイヤが太くなることによる接地面積の増加や、グリップ重視のパターンによる転がり抵抗の増加などが大きく影響しているのではないかと思います。