HONDA MOBILIO


 

モビリオに初めて乗ったインプレです。
私は自動車評論家でもなく、サーキットを走る腕がある訳でもないので、ごく普通の人がモビリオに乗った感想と思って下さい。
なお、シビックからの乗り換えとなったので、どうしてもシビックと比較してしまう所がありますが、そのへんは大目に見てやって下さい(^^;


ファーストインプレッション


エクステリア
 まず最初に見た時は、意外に大きい!という印象。
カタログ上ではシビックと同じ5ナンバーサイズで、全長はシビックより100mm以上短いにもかかわらず、全高が1700mm以上ある為にとても大きく見えました。
そしてアンバランスなほど大きな窓が印象的。ヨーロッパの路面電車をモチーフにしたという事で、確かに一風変わったデザインに仕上がっています。
写真で真正面から見ると間抜けな顔つきも、斜めからみると意外と綺麗なラインでなかなかカッコ良く見える。
スポーティーさ、力強さ、威圧感とはかけ離れてますが、よくまとまったデザインだなと思いました。


インテリア
 室内の広さは想像以上!両手を伸ばして伸びができるのに感激しました。
天井部分の空間はヘタをするとデッドスペースになりそうですが、小さなボディーで広さ感を出すのに一役買っています。
シート地はベージュで全体的に明るい色使い。窓が大きいので明るく開放感たっぷりです。

運転席
 運転席に座ると、盛り上がったシルバーのセンターパネルが目に入ります。
そこからニョキッと生えたシフトレバーは意外と操作しやすく、レバー横に付いているSモード切替スイッチも素早く操作できます。
スピードメーター中央部には、オド、トリップ、トリップ区間燃費を切替表示できるメーターが付いています。普段燃費を気にしない人でも、これを見てるとついついエコランしてしまいそうです。

セカンドシート
 セカンドシートに座りシートを一番後ろにスライドさせると、足元は十分な広さ。足を組んで両手バンザイしても大丈夫です。
そして窓が大きいので空から道路まで一目で見わたせ、開放感たっぷり。もしかするとここが一番快適かもしれません。
気になったのは両側がスライドドアの為、ドアのアームレストが窓枠と兼用になっていて、私にはちょっと遠くて高いなと感たこと。
あと、幼児を乗せた時の事を考えてか、窓がパワーウインドウじゃなくハネ上げ式で、換気しかできないのはちょっと残念です。

サードシート
 普段は3列目を畳んで5人乗り。いざという時は3列目を出して7人乗りにできるサードシートです。
膝元のスペースは2列目と分け合う事になりますが、大人でもちゃんと座る事ができ、緊急用というイメージはありません。長距離ドライブでもしない限り十分使えるシートだと思います。
ちょっと気になったのは、足が妙に下の方まで潜り込む事。
ガソリンタンクを運転席下に配置した事で、2列目シート下に余裕がある為だと思いますが、なんだか食卓の椅子に腰掛けているような感じがしました。

ラゲッジルーム
 サードシートを出した7人乗り状態ではさすがに大きな荷物は積めません。しかし、サードシートを畳むと二列目の下にすっぽり収納する事ができ、こうすればかなり広い荷室が現れます。普段はこの状態で十分です。
さらにセカンドシートを跳ね上げると、自転車も積む事ができるフラットなスペースが現れます。
他にも多彩なシートアレンジができ、さらに隠しモードもあるらしいので、これだけで小一時間遊べそうですね。

エンジンルーム
 短いボディで広い室内スペースを確保する為、エンジンルームはかなり短くなっています。
1気筒に2本のプラグを持つi-DSIエンジンは、ホントにこれで1.5L!?と思うほどコンパクト。エアクリーナーとインマニが直接繋がっているので、さらに小さくまとめられています。
これだけ小さいエンジンルームながら、重量バランスを考えてバッテリーをできるだけ後ろに配置するホンダ伝統のレイアウトは涙ぐましいです。


ドライビングインプレッション

 納車した嬉しさの勢いで、軽くドライブに行ってみました。
ディーラーで何度か試乗はしていたものの、やっぱり自分の車で好きなように走って初めて見えてくる面も沢山ありました。

エンジン・CVTのフィーリング
 モビリオのCVTは、トルコンではなく油圧クラッチを組み合わせてあります。
ブレーキを離すと自然クリープがあり、アクセルをそっと踏むと何の違和感もなく走り出します。CVTなので変速ショックはもちろん無く、一定のエンジン回転数を保ったままスルスルと加速していきます。
 1270kgのボディーに90ps/13.4kgmのエンジンではさすがにパワフルとは言えませんが、最大トルクを2700rpmで発生する実用域重視エンジンのため、街中では十分な加速力を見せてくれました。
 気付いた事は、走行中少しだけ加速や減速したい場合、アクセルをちょっと動かすだけで意外なほどレスポンス良く速度が変化します。これはMT車でもトルコンAT車でも経験した事のない感覚。まるで排気量が大きい車に乗っているようで非常に気持ちが良い。これは単に低速トルクがあるだけではなく、CVT制御のカラクリが隠されていそうです。

エンジン音・静寂性
 前に乗っていたのがマフラー交換したシビックだったため、モビリオに乗ると恐ろしいほど静かに感じます。窓を閉めているとエンジン音や風切り音はほとんど聞こえず、タイヤの「ゴトン、ゴトン」という音だけが聞こえてきます。
静寂性はあまり気にしない私ですが、このクラスにしては立派だと思います。

ハンドリング・足回り
 雑誌のインプレでは、ハンドリングはキビキビしていると書いてありますが、シビックのハンドリングに慣れていた私には「ああ、普通だなあ」という感じでした。でも、前後にスタビライザーが入っているためロールも少なく、この背の高さで「普通」であると感じるのは凄い事なのかな?とも思います。
サスペンションはフィットほどのゴツゴツ感もなく、適度なコシがあって乗り心地は良好。この車の性格にはよく合っていると思います。
ただ私の好み的には、もう少し減衰力の高いショックを入れたい所ですが、嫁さんに怒られそうなので・・。
あと、燃費を考慮して電動パワステを採用しているためか、山道の低速コーナー立ち上がりではハンドルの戻りが軽すぎて、イマイチ路面の感覚が伝わって来ないように感じました。

ブレーキ
 ブレーキはわりとしっかりしたタッチで、思い通りの制動力が得られます。
しかし、減速中20〜10km/hぐらいの速度で妙に強いエンブレがかかるような感覚があり、停止直前にふっと解除されるので、信号などで止まる時はギクシャクしてしまいます。
これはフィットでも同じような症状があるようなので、次期モデルは改善して欲しいですね。

燃費
 さてさて、私自身これが一番気になるポイントだったりします。
納車記念に友人を誘って「信楽たぬきを見て琵琶湖大橋を渡ろう」ドライブに行ってきました。
京都市街地→(24号、307号)→信楽の里→(307号、1号)→琵琶湖大橋→京都市街地のコース。4名乗車でエアコンはつけっぱなし。郊外、市街地、渋滞含め一般道ばかり130km、平均速度約30km/hで純正燃費計読み14.5km/Lでした。
ビックリする程燃費が良かった訳ではありませんが、走行条件から考えるとシビックと同等か少し落ちるか、といった所でしょうか。このへんは長期で見て行きたいですね。
シビックよりも250s以上重い車体重量から考えると驚異的かもしれません。

いろいろ調べてみると、モビリオは好条件なら20km/L前後まで伸びるそうです。燃費重視エンジン+重い車体なので、走行条件による燃費の差が大きそうです。
私のモビリオもこれからどこまで伸びるか楽しみです。