各種グッズテスト

ネット上やカー用品店でよく見かける燃費向上グッズ
パワーアップ、レスポンスアップ、燃費向上など
広告には凄い効果が書かれているけど、これ本当?



 省燃費グッズ「エコ・バンド」

 今回、萩口キルト株式会社様より、省燃費グッズ「エコ・バンド」のモニターレポート依頼を受け、サンプル品を提供していただきました。
エコ・バンドはマイナスイオンと微量の放射線を利用したもので、エアインテークパイプに巻くだけで、全域トルクアップ、燃費が10〜25%アップするそうです。
果たしてどのくらい効果があるのか、徹底テストしてみました。


テスト内容
 ・取付け前と後でアイドリング時の燃料噴射量を測定
 ・運転した時のフィーリング、加速感、エンジン音など
 ・取付け後50km,100km,300km走行時のフィーリング
 ・京都⇔名古屋の往復ドライブで、過去の燃費と比較


■テスト車両
 ・HONDA シビックVTi EK3(平成8年式) 1500cc 5MT
 ・マフラー交換、エアクリーナー交換、15インチアルミホイール、アーシング施工済

■測定機器
 ・デジタル燃費計(HKS CAMP)
 ・バキューム計


まずは取付けてみる
取付けは、エアインテークパイプのエアクリーナー近くに巻きつけるだけです。
あっという間に取付け完了。
とても簡単ですね。




アイドリングテスト
十分に暖機をした後、アイドリング時の燃料噴射量を比較してみました。
ECUはアイドリング回転数を一定に保とうとするので、燃費が10%以上良くなるのなら、その分燃料噴射量は少なくなるはずです。

取付け前 取付け後

 上から、燃料噴射量、瞬間燃費、速度、インジェクター開度、エンジン回転数です。
エコ・バンド取り付け前が、アイドリング643rpmで燃料噴射量は8cc/min。
取り付け後が、アイドリング641rpmで燃料噴射量は8cc/min。
エコ・バンドの説明書によると、取付けるとすぐに効果が体感できるとのことですが、残念ながらどの数値にも変化は現れませんでした。
エンジン音や始動性も特に変わった所はありません。


長距離ドライブテスト(実施日:4月12日)
 それでは京都→名古屋のドライブで、フィーリングや燃費を見てみたいと思います。
しばらく走るうちに効果が現れてくるのかもしれません。

今回走るルートは
京都市内→(市街地)→京都東IC→(高速道路)→栗東IC→(国道1号)→四日市市→(国道23号)→名古屋市→(市街地)→名古屋市某区
合計約145qのドライブです。
夜はほとんど渋滞もなく、前回走った時は19.6km/Lを記録しました。

 実際のドライブで燃費比較をする場合、走行条件の違いで燃費に差が出てしまいます。
そこで、この燃費比較テストでは、前回3月30日に京都⇔名古屋を往復した時の走行条件に、出来る限り近づけて、燃費の変化を見てみました。
走行条件で注意したポイントは、
 ・出発地、目的地、走行経路を同一に
 ・走る時間帯を揃える
 ・荷物の重量、ガソリン残量を同量に揃える
 ・運転方法、ペースを同じに保つ

■PM8:30出発
 行きつけのスタンドでガソリンを満タンにして、燃費計測開始。
前回、京都市内が渋滞していたので1km程迂回しましたが、今回は渋滞もなくスムーズ。少し燃費は良くなりそうです。
エコ・バンドの効果は、今の所は何も感じられません。

■50km走行後
 栗東ICを出て国道1号の途中、走行距離が50qになりました。
この時点での燃費は18.2km/Lです。
加速感やトルク感に変化はありませんが、高速道路でのエンジン音(うなり音)が大きくなったような気がしました。これは気のせいでしょうか?

ここでCAMP画面の見方を書いておきます。
 ・A欄:今回ガソリンを満タンにしてからのデータ
 ・B欄:前回の走行データ
 ・C欄:今回の走行データ(今はA欄と同じ)

表示項目は以下の通りです。
 ・TIME・・・・・・・・・(走行時間)
 ・DISTANCE・・・・(走行距離)
 ・FUEL・・・・・・・・(燃料使用量)
 ・COST・・・・・・・・(燃費)
 ・SPEED・・・・・・・(平均速度)

■100km走行後
 鈴鹿峠を楽しみ、真っ暗な国道をひた走ると、走行距離は100kmを超えました。
この時点での燃費は19.8km/L。夜間の穏やかな流れの一般道なら、高速道路よりも燃費が良くなります。
気になるエコ・バンドの効果は・・・この時も感じられません。

■ここでちょっと一服
時刻は22時を過ぎました。
四日市のコンビニでちょっと一休み。

■23号線は難易度高し
 四日市から名古屋にかけての23号線は、流れが速い割にちょっとスピードを出し過ぎるとすぐに信号に引っかかってしまいます。
こんな時は大型トラックに合わせて速度コントロール。彼らは何度も走り慣れたプロなので、信号のタイミングを熟知しています。

名古屋市に入った所でCAMPを見てみると、燃費は20.0km/L。実は前回もこの地点での燃費は20.0km/Lでした。
エコ・バンドの効果は・・・やっぱり感じられません。

さあ、ここから目的地までの約10kmは、夜中とはいえ市街地です。
どれだけ燃費を低下させずに走れるかがポイントです。

■ついに到着! さて結果は・・・
 午前0時、やっと目的地に到着しました。
気になるトータル燃費は19.7km/L。なんと前回(19.6km/L)と、たったの0.1km/L差!
CAMP画面を見てもらえば分かりますが、所要時間、平均速度もほぼ同じなので、前回にかなり近い走行条件での比較ができたと思います。
ここまで前回に限りなく近いデータを見ると、エコ・バンドの効果は無いと言うしかなさそうです。

結果

エコ・バンド装着前
測定日 気温 走行距離 燃費 所要時間
3月30日  約7℃ 145.2km 19.6km/L 3時間20分
備考:京都市内で渋滞のため1qほど迂回

エコ・バンド装着後
測定日 気温 走行距離 燃費 所要時間
4月12日 約12℃ 144.6km 19.7km/L 3時間15分
備考:渋滞は無し

 エコ・バンドは、今注目されているマイナスイオンと微量放射線を利用した省燃費グッズです。
私も最初はどのくらいの変化があるのか楽しみにしていたのですが、残念ながら私のシビックでは、燃費の向上やトルクアップを感じる事はできませんでした。
逆に燃費やフィーリングが悪化するという事もありませんでした。

ただ、運転していて「おやっ?」と思った事が一つだけあります。
それは、高速100km巡航中のエンジン音が、以前より大きく感じられたことです。
まあ、これは私が耳で聞いた感覚なので単なる気のせいなのかもしれませんが、燃費やトルク以外の部分で、何らかの変化が起こっているのかもしれません。


帰りの燃費レポート(おまけ)

■300km走行後
 帰りも同じルートを通って帰りました。
ここでエコ・バンド取り付け後、走行距離が300kmになりました。
この時点での燃費は19.8km/L。
しかしトルク感やフィーリングに変化は感じられませんでした。


■やっと到着
 やっと自宅に帰り着きました。お疲れ様。
エコ・バンド取り付け後の走行距離は約400kmです。
帰路の燃費は前回19.5km/L、そして今回は20.0km/L。その差は2.5%の向上です。
道路状況や平均速度もほとんど同じです。
これを誤差範囲ととらえるか、エコ・バンドの効果ととらえるかは、あなた自身におまかせします。