アーシングにチャレンジ!

実験工房 「プラグアーシング」


点火プラグに直接アーシングするとどうなるのか?
アーシングの理屈から考えると効果が期待できるはず
ということで「プラグアーシング」をしてみました


  ご注意!!
ここで紹介しているプラグアーシングは、思わぬトラブルを起こしたり、最悪の場合エンジンを壊してしまう可能性があります。車にあまり詳しくない方や、腕に自信のない方は、絶対にマネをしないようにしてください。

まずアーシングの目的を考えてみる
 アーシングをする時の一番の目的は「トルクアップ」や「燃費の向上」だと思います。
その為には点火系(点火プラグの周辺)のアーシングが最も効果がある訳ですが、それは一体どういう理屈なのかを考えてみました。


点火系アーシングの理屈
 点火プラグでは少なからずとも失火(ミスファイア)が発生しています。
失火が発生すると、吸気→圧縮した混合気を燃焼させずに排気してしまう訳ですから、その分のガソリンは全くのムダになってしまいます。

点火系アーシングは、この失火を減らし、混合気に確実に着火させることが目的です。
アーシングによって、プラグ周辺の金属部からバッテリーまでの抵抗値を下げることで、プラグの要求電圧が下がり、安定した火花を確実に飛ばせるようになります。
その結果、今までそのまま排気されてムダになっていた混合気を燃焼させることができるので、これがパワーアップ、トルクアップ、燃費の向上に繋がるという訳です。

というわけで、一般的にはプラグに近いヘッドカバーやシリンダーヘッドに、何本もアーシング線を付けるという訳ですね。


そこでちょっと考えてみました
 それならば、プラグに直接アーシングした方が効果があるんじゃないか??
という発想でやってみたのが今回の「プラグアーシング」です。


プラグアーシングの方法

作業内容の概略
 まず、プラグ一本一本のマイナス部に平網線を取り付け、プラグホールとプラグキャップの隙間を通してエンジン外に出し、アーシングポイントにて一括アースする。


材料
(1)3.5スケア スズメッキ平網線
プラグレンチとの隙間を通せる太さということで、3.5スケアとしました。
通電性が優れているというスズメッキ平網線です。
プラグ1本に対して50cmと計算して、2m用意しました。

(2)φ1.0 ステンレス針金
電線を固定するために使います。
通電性を考えると銅や鉄の方がいいのですが、プラグホール内の過酷な条件から、耐熱性、耐食性を優先してステンレスとしました。


製作方法

(1)プラグホールの清掃
まずプラグキャップを外し、プラグホールの清掃をします。
プラグを外す前に、エアガンなどでゴミを吹き飛ばし、プラグホール壁面はウエスでふき取ります。
平網線を追加すると、どうしても取付け時にプラグホールに干渉してしまい、プラグホール壁面のゴミやホコリが燃焼室に落ちる可能性があるため、清掃は必ず行ってください。
(2)プラグを外す
プラグレンチでプラグを外します。
この時、プラグレンチとプラグホールの隙間に平網線を通す余裕(1〜2mm以上)があることを確認します。隙間がない場合プラグアーシングはできません。諦めてください。
(3)プラグをチェック
取り外したプラグをチェックしておきましょう。
今回はこの溝を利用して、針金で平網線を固定します。
(4)平網線を付ける
針金で平網線をしっかり固定します。
引っ張っても抜けないか確認。
(5)出っ張りを最小限にする
針金を切った部分や平網線の先を折り曲げて、出っ張りを最小限にします。
目安はプラグレンチの外径です。ここまでならプラグホールに干渉しません。

※自分で言うのもなんですが、針金で止めるのはかなり無理があると思います。もっと安全、確実な方法があれば教えて頂けるとありがたいです。
(6)プラグの取付け
プラグをもとの位置に取り付けます。
この時、平網線とプラグレンチを一緒に回すようにします。平網線とプラグが固定されているので、そうしないと平網線がねじれてしまいます。
(7)一括アースする
平網線の反対側に圧着端子を取付け、ヘッドカバーなどのアーシングポイントに一括アースします。

【注意】平網線を2本以上一緒に圧着すると、プラグ交換時に線がねじれてしまうので、圧着端子は1本につき1個ずつ取付けるようにします。
(8)これで完成
最後にプラグキャップを取り付けます。
この時、プラグホールの入口の形状に合わせて平網線を折り曲げ、キャップとプラグホールに隙間ができないようにします。

作業する上での確認事項(重要)
作業する時は、以下の事に注意しながら行ってください。
■プラグと平網線はしっかり固定できているか。
■プラグ及びプラグキャップの取付け、取外しがスムーズにできるか。
■プラグ及びプラグキャップの取付け、取外しで平網線が損傷していないか。
■プラグキャップがしっかり奥まで入っているか。
■プラグキャップのフタ部に大きな隙間ができていないか。
■燃焼室内にゴミやホコリが入らないよう、十分注意する。


インプレッション
それでは皆さんお待ちかねのインプレです。
さすがにプラグから直にアーシングしたので、フィーリングは抜群です!
初めてアーシングをした時のトルクアップ感がもう一度やってきたような感じでした。

中間加速での違いはあまり体感できませんでしたが、低回転での希薄燃焼時からアクセルを少し踏み足した時のレスポンスが大幅にアップし、背中を押されるようなトルクを感じる事ができました。


実はこんな失敗も・・・
実はこんな失敗をしてしまいました。参考のために紹介しておきますね。

最初は、平網線をプラグに対して横向きに巻き付け、一周した所で90度折り曲げていました。(写真参照)
するとやはり出っ張りが多かった為か、プラグホールに少し干渉していました。
それでも何とかプラグをネジ込む事ができたものの、プラグホールの中で平網線の形状が変わったのか、今度は外れなくなってしまいました。
このまま修理工場行きか!?と途方に暮れてたんですが、CRCを吹き付けると少しずつ回ることに気付き、どうにか外す事ができました。

外したプラグを見てみると、平網線がぐちゃぐちゃになっていました。
もう少しで細切れになった平網線のクズが、燃焼室に落ちて大変な事になる所でした。
プラグホールとの干渉には、十分注意しないと大変なトラブルの原因になるなぁ、とつくづく感じました。


このコンテンツについて
 プラグへの直アーシングは、他のアーシングサイトを見ても例がなく、私も恐る恐る実験的に施工してみたものです。
平網線の取付け方法なども、ハッキリ言って安全とは言えず、胸を張って皆さんにオススメすることはできません。

しかし、これからプラグアーシングをより安全、確実に施工する方法を考える第一歩として、ここに紹介させていただきました。
「そのやり方はマズいのでは?」とか「オレならこうするぞ」などなど、思うことがありましたら、掲示板やメールでどんどんご意見をお聞かせ下さい。

なお、プラグアーシングがあまりにも危険で、皆さんに公開するべきでないと判断した場合、このコンテンツは閉鎖するかもしれません。